川流れのあれやこれや

本人の琴線に触れたあれやこれやを長めに呟きます(大半アイマス)

【若干ネタバレ?】初星宴舞BD発売記念ということで…

どうも、軽度のギックリ腰をやらかした川流れです。

完全にシルエットがおじいちゃん。

初星宴舞BDが 2019/1/23に発売ですってよ、奥さん!嬉しい限りですね…。初日公演後自分が泣きすぎてヤバかったり、死屍累々の束を海浜幕張に生み出したとされる伝説のライブがついに円盤に!資金繰りで首が回っていない状況でこの仕打ちとは…

 

というわけで、初星宴舞になんらかの状況の進展があったら出そうと思っていた私の初星宴舞(というかある一曲)の感想記をここで公開します。今、改めてその内容を見るといかんせん「こじらせているな…」と思わなくもないですが、大学のマス研の初会誌に載せたまんま、無修正で公開します。一人でも多くの人が初星宴舞を視聴することを願って…。

 

「隣に…」と私の結末~初星演舞感想に添えて~

 

 初星演舞のDelayLV終わりにこの文章を書き始めた。普段のライブであれば、Twitterで褒める形で大体終わらせてしまうが、今回の場合そうとも言えなくなったので、あえて記すことにする。それは、7年弱に及ぶブランクを経て“ある楽曲”が披露され、私の中で一区切りがついたからである。私はその楽曲を初めて聞いた時からその曲をライブで聴くことに心底憧れ、そのアイドルを担当しようと決意し活動を続けてきた。流れた月日はおおよそ七年。長いと見るか、短いと見るかは各々のP歴に依るであろうが私はその楽曲を担当アイドルの歌声から生で聞くのは七年間で初めてだった。すべては過去のものであり、その曲に恋慕の念を抱いてさえいた。そして、2018年、その曲は披露されようやく私の中で一区切り、というか整理がついたので言葉にしようと試みる。いかんせん右往左往しそうで心もとないが、頑張ってみたいと思う。まずは私がアイマスに出会ってから担当を決めるまでの整理をしようと思う。長文・駄文は容赦されたし。

 私がアイマスに触れたのは中学三年の頃、世間的にはSPがひと段落した当たりの頃である。当時ゲームセンターで太鼓の達人に通い詰めていた私にとって「ゲームミュージック」の欄にあった「THE IDOLM@STER」を見つけることは容易であった。当時はオタクになりたて&アイドル物は毛嫌いしていたため触れることはないだろうと思っていた。しかしその想定していたアイドルの楽曲とは程遠いカッコいい楽曲展開(「エージェント夜を往く」が一番大きく当時の難関曲を一手に担っていたリンダさんが作曲していた事を知ったのがインパクト)に次第に心惹かれるようになった。しかしながらPSPを買うお金もなかった当時の中学生は追加される楽曲に心を躍らせながらのめりこんでいったのが初めである。

 そんなアイマスの世界に足を踏み入れたのが丁度アニメ版【THE IDOLM@STER】の開始直前の2011年3月、アイマスタジオのプレ放送を聞いた当たりであった。当時は誰が何役を務めているかもわからない状態だったが、パーソナリティの二人が織りなす心地よい軽快なトークアイマスということを意識せず聞いていたように思う。(とりわけ、このラジオがアイマストークをさほどしないことで有名になっていたことは後々知ることとなる)もうこの時期にはあと一押しすれば勝手に転がり込むようなあと一歩の状態であり、アニメ化も決定していたため、プロデューサー活動を始めるのも時間の問題だった。そこで私が取り掛かった最初の問題は「誰を担当とするか」であった。アニメを見て決めようか、とも考えたが普段から優柔不断な性格の為決めることはできないであろうと考え即却下。アニメをリアルタイムで追いつつ、楽曲と歌唱で決めようと思いレンタルビデオ店に直行。小遣いで賄える限界までCDを借りて聞きまくった。そんな中、私が出会ったのが、【THE IDOLM@STER BEST OF 765+876=!!】であった。全部で三枚のこのCDシリーズでおおよそアイドル達の代表楽曲が聞けたのである。私が、その曲を聴いたのもこのCDからで、私が担当を決めたのも、その曲を恋慕しだしたのもこの時が最初、2012年の春頃、そう『隣に…』との出会いである。

 7thや8thがいけなかった関係もあり、初めてライブ参戦をしたのは2014のSSA公演【THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2014】の事。そこで私は担当の楽曲である「ラ♡ブ♡リ」と「Mythmaker」の二曲を聞くことができたのである。じきにあの楽曲も聞くことができるであろう。私はそうたかをくくっていたのである。そうして、9thでは大阪二日目で披露されたが、この時は千早が歌唱だった為に大事には至らずに済んだ。しかし、いつまでたってもあの楽曲は披露されないまま。彼女の歌唱による披露を待ち望んだまま時は流れていった。そして、2015年の10thライブ。会場は地元の西武ドームとのこと。ついに悲願が成就される…それならばここまで待ったかいがあるというものだと思っていた。しかしそれはまだまだ道の途中でしかなかったこととなる。披露された楽曲は「嘆きのFRACTION」。確かにカッコいい楽曲ではある。しかし…といったもやもやした気持ちを抱えた。そして、765プロは実質上の一年半に及ぶ活動休止に入ってしまった。私が、もうこの楽曲を聞けないのであろうと覚悟したのもこの時期であった。

私がなぜこの楽曲に心底執着し恋慕の念を抱くまでになったのか。それは、私が三浦あずさという一人の人間をスキになる上で通ってきた、いわば“心臓”にあたる曲であったからだ。これは個人的な視点になるが、私の理想のアイドル像の一つとして「Artistとしても様々な楽曲を歌いこなしそれでいて個性的な魅力を持つIDOL」というものが、アイマスに触れていく中で次第に確立されていった。よくよく考えてみるとそれは元々アイドルの悪く言えば煮え切らない感じの歌唱に半ばいらだちにも似た感情を抱いていたのと、当時好きだった「school food punishment」の楽曲や歌唱に畏敬の念を抱いていたからかもしれない。三浦あずさというアイドルは、そのコンセプトに合致していたアイドルであった。もちろんアイドルであるため、可愛らしい楽曲も求められる。逆に歌唱力や楽曲はカッコいいものがいい。こんな一見すれば二律背反の願いを叶えてしまう、恐ろしい人物であった。前者であれば先述した「ラブリ」や「コイ・ココロ」といった形で包み込んでしまうような楽曲たち、後者であればこれも先述した「mythmaker」に「嘆きのFRACTION」といった激しい楽曲に、「隣に…」や「月のほとりで」といった“聴かせる”楽曲、と私のわがままを満たしてくれる、この点において私が彼女を担当しようと思った動機の一つである。(今振り返ってみると961プロのようではあるが)このように、担当をどういう形でプロデュースしていくかにおいてこれほど私の趣味・思考に合致したアイドルはほかにないであろう、私はそう思ったのである。そして、そのパーツとして「かわいさ・カッコよさ・圧倒的魅力」と三つに分け、その中でも「圧倒的魅力」をいわば“心臓”に位置づけてのめりこむようになったのである。この基礎付けを軸に二コマスでの「3A07」といった名作の魅力も乗算されてますますこの楽曲に対する愛情が深まっていったのは、おそらく読んでいる方もわかり得るかと思う。

そんな楽曲をライブで聞きたい。自然な発想だった。衝動のままにライブに向かった。そんな中で、腕や足といった楽曲は(自分の中では)取り戻すことができたと思っていた。しかし、“心臓”にあたるその楽曲だけは自分の中で消化されないまま、時が流れてしまった。いつの間にか「新人」のくくりであったアニマスからの11年P達も中堅を越え、もはや古参一歩手前といった時期にまでなってしまった。自分の担当Pとしての時計の針が進まないまま、時は過ぎ去っていく。やがて自分の前を走ってきたPの先輩も離脱していくのが見えた。「私は10thで燃え尽きた。やり切ったのだ」そんな声を聴いた。彼の中では完結した物語であったのだろう。悔しさが滲んだ。歯がゆかった。もどかしかった。私一人を置き去りにして、時は過ぎ去っていく。悲痛な叫びだっただろうか。シンデレラやMillionなど後輩の現場で楽しんだとしても、くすぶっていたのは事実だった。もう聞けないのだろうか。そんな日々が続いた。

プロデューサーミーティングで触れられた時、智秋さんの口から『隣に…』について語られたとき、もしかしたら、という期待も膨らんだ。いかんせんどうしようもしがたいと思うのが年齢だということは事実で、軽率に口にしてもよいのか、思考は逡巡して言うべき言葉も見つからないままだった。なにせ、一年半活動がほぼほぼなかったわけで、プロデューサーミーティングがあるだけでも喜ばしいことであった。だからこそ、「緩やかな衰退」という形でたたむことも十分選択肢としてありえたのだと思い口惜しく思っていた。しかし、今井麻美さんが最終日に「歌だけのライブがやりたい」という思いを打ち明けてくれたことで、はばからなくてもいいのかなという気持ちが芽生えた。いつか、歌だけのライブで完結する日が来るのかなと思っていたのだ。そして新CDシリーズの発表とStellaStageの発表、そして待ちに待った単独ライブの発表。もしかしたらこれで最後かもしれない。そう思いつつ当日を迎えた。

当日を迎えるにしても、私の予想はそれこそMA3(MASTER ARTIST3の楽曲)が中心になると思っていたので、一番に予習をしていたのは、当然のことながら「コイ・ココロ」であった。ライブでは初登場となるため、それこそ気分は高揚していた。久しぶりの単独公演である。私は一通りの楽曲を聞くことで年末のドタバタを乗り越えていた。前日物販の時であっても片時も離れず、楽曲を聞いていた。「人間興奮すると寝られなくなる」というのは、小学生の遠足の時のように使い古された表現であるが、まさしくあの時のASPの皆さんはそんな心持だったのではないだろうか。そんな期待と不安がないまぜになったのは、初ライブを経験した2014SSA以来だった。当日は朝から名刺交換をさせていただいた。他の現場よりも年齢層が高めであるように感じた。しかし、プロミの時よりも若い世代も増えているように見受けられた。「ミリシタからのASPです!」「シンデレラがメインですが、やっぱり本家を見たくて…」やはり久しぶりの単独ライブ。気にしていたのは後ろの世代も同じだった。それは、ASの系譜がきちんと下にも届いていることを、したたかに、しかし着実にASの興味が波紋のように広がっていることを実感できた素晴らしい空間であった。

開場の時間を迎え、自分が参加させていただいたフラスタを確認し会場内へ。自分の席はアリーナ後方で、丁度右手を見ると中川サウンドディレクターが指示を送っているのが見える席であった。ライブが始まると、そこは慣れ親しんだ、しかし懐かしい765プロの面々による「THE IDOLM@STER」が流れる。ああ、帰って来たんだ。そんな実感を体中に浴びた。そのような多幸感が、「予感」とも言うべきものに変わった最初のタイミングが、伊織の「ロイヤル・ストレートフラッシュ」であった。ぷちます楽曲の披露があることを如実に示したその楽曲は、このライブが「何を投じるか」が全く読めなくなるのに十分すぎる衝撃を与えたのである。もし、前半戦であずさのソロ楽曲が、披露「されない」場合、もしかしたら…。会場がヒートアップしていくと同時に、駆け上がる思いが「予感」となって脳天を突き刺した。無論、それまでのセットリストもえげつないことになっていた。フェアリー組が織りなす「addicted」「Day of the future」「Next Life」のソロ楽曲たち。それは、自分が初めて見た7thの光景ともフラッシュバックして、月日の経過とまたこうして見れることの素晴らしさを噛みしめることができた。「合言葉はスタートアップ!」ではレジェンドデイズが全員集合を果たしての披露。ミリオンを追っていたPを中心に感嘆の息が漏れていたことを思い出す。

後半戦も最終ブロック。星空のライティングが幻想的に映える「Light Year Song」の披露があり辺りに静けさが漂い始めたその時、「その曲」は訪れた。イントロの時点で、膝から崩れ落ちたのは後にも先にも、おそらく今後の人生でももしかしたらこの時だけだったのかもしれない。それまで幾度となくDVDで、BDで、画面越しで見ていた、聴いていたあの曲が、あの風景が今眼前に広がっている。瞳は潤み、嗚咽がこぼれる。そして、顔をあげると、そこにはスポットライトを浴びて渾身の力を込めて歌うたかはし智秋さん、そして三浦あずさがそこにいたのである。その5分間に、様々なものが走馬灯のようによぎった。初めて聞いた時の感情も。様々なあずさPの顔も。幾度となくゲーム画面で見たPVも。それは、幸福の頂点であった。そしてその走馬灯と共に、この楽曲を聞くことができる。「隣に…」は永遠の別れをテーマに据えた重厚な楽曲である。しかし最後、コーラスと同時に彼女は一歩を踏み出していく。別れてしまった「あなた」への想いを携えて。それは私の中では、私がこの曲に抱いていた恋慕の感情が、漸く巣立つ時を意味していた。歩みは遅いかもしれない。けど、着実に今ここから歩きだせる。智秋さんが最後のお辞儀で見せた涙を見て、その決意の音を私は確かに聞いたのである。私の七年越しの恋慕の感情は、今その時をもって、完結したのだ。

 

実のところ、私は初星で披露された「隣に…」の記憶はあまり残っておらず、ディレイLVを見た上で当時の思考を手繰り寄せるようにこの手記を書いた。時系列的に滅茶苦茶な気もするがご容赦いただきたい。さらに、この段落を書いているのはそのディレイLVから三か月もたった5月初めである。765ASではMRライブがスタートしていて、大好評を博している。既にライブから半年以上が経つのにこのえらく長い長文に付き合っていただき感謝の限りである。私は、この文章の前半辺りに、「緩やかな衰退」という表現でASの今後の不安を口にした。それは今後とも付き合っていく問題であろうしいつか「その時」がやってくるのだろうという点は覚悟している。しかしながら、アイドルマスターという巨大コンテンツのトップランナーとして765ASが走っているうちはまだまだ燃え尽きていられない、そうゆう風に感じるのである。まだまだ、欲望は尽きない。まだ披露されていない楽曲がある。これからの楽曲だってある。それは、「これからの未来」の話である。新たな道を模索し、常に自身の手で道を作り出していく。それは、「緩やかな衰退」とは無縁のものだ。まだまだ歩き続けたい、いや、走り続けたい。そう彼女らが思う限り私達も隣で並走していくのが一番であろう。そんな決意をさせてくれた、そして私の七年越しの恋慕を叶えてくれた初星宴舞でした。

またの機会でお会いしましょう!それでは。

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